6月4日 夜、雨上がる。
6月になったが、緑地でまだ一度もキビタキを見ることができない。
この森のどこかで繁殖をしているはずなのだ。
去年、よく見かけた場所では声すら聞けない。
考えてみれば去年、緑地では様々な活動を自粛していた。ここへ来るのは散歩とジョギングの人が殆どで、シーズンが来ると鳥好きな人がカメラを携えて来ていたくらい。顔ぶれは殆ど同じでちょっとした知り合いになった。
今年はというと週末は駐車場に長蛇の列ができている
鳥も敏感に人の気配を感じているのだろう。
それに、去年はカシノナガキクイムシによるなら枯れが酷く、たくさんの大木が伐採された。
去年のあの、ドキドキするくらい近い距離で囀りを聞くことができた時間の方が特別だったようだ。
キビタキに限らず、小鳥というのは、こちらが静かな心持ちでそーっとそこにいると、害がないと思うのか、いないものとみなしてくれるのか、次々と集まってきてすぐ間近で観察できることがある。木を突いたり、木の実をもいだり、毛虫をバンバン木の枝に叩きつけたり、水浴びを始めたり、こちらはそーっと息を潜めて様子を見ている。そのうちに人間の時間の流れを忘れてしまう。我を忘れるというのは気持ちがいい。
まだしばらくはチャンスがあるだろう。一度くらい姿を見たい。
去年は一度も出会えなかったノコギリクワガタが歩いていた、、、、
えぇええええ!!、、、なんで???
ひとり、声が出る。
何だか眠そうな目をしているねぇ。
鳥も楽しいが虫が大好きだ。
虫を見ていると、鳥でも人間でもない時間へと没入してしまう。
同じ空間にいるにはいるのだが、流れている時間が違う。
それがまたとても気持ちがいい。
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