桜の木とその周辺

今年も桜の季節がやってきて外が華やかだ。ここへ住み始めた頃、桜が咲いたら、窓の外は一面花の色だったけれど、桜も年をとったし、雨風で枝が折れたりしたので、桜の向こうの針葉樹の色が見えるようになった。木が年をとると、いいことがひとつあってコゲラが来るようになる。


コゲラは老木をつつく。


グッとくるよね。だって若い木には傷をつけないんだから。

ほとんど毎日のようにビーッビーッと声が聞こえる。


ここにある桜は、ほとんどがソメイヨシノだが

山桜が2本混ざっていて、ソメイヨシノより少し早く、瑞々しい若葉と共に白色に近い花を控えめにつける。 ひと房のりん数がソメイヨシノより少ないのだ。これがまたなんとも可愛らしい。いよいよ桜の季節が始まるぞ、、と心が躍り、親しい人に連絡をする。


人も集まるがヒヨドリも集まる。こちらでは人がわいわい、樹上ではヒヨドリがワイワイ、嘴の周りを真っ黄色にして飛び回っている。どこからやってくるのかなぁ。あんなに沢山。鳥同士、コミュニケーションを取ったりするのかな。それとも体内時計だろうか。




数日前の朝、ツミの声を聞いた。しばらく鳴いていたが声は遠のいた。


去年、この中のどこかにツミが巣をけていた。若鶏の声で初めて気がついて驚いた。カラスの動きには気をつけていたが(以前はここにカラスが巣をかけていた)まさかツミが生活していたとは。今年もここを選んでくれたらいいなと思うが、声を聞いたのは一度きり。これから桜の花が散って、見通しがあるうちに観察だけはしておこうと思う。


写真はもう1週間近く前のもので、花は終わり残ったガクと生まれたての葉っぱが赤く揺れている。



上路ナオ子*日々のスケッチ

イラストレーター上路ナオ子のお仕事と日々のこと